高校を出て陸上自衛隊で勤め、その後大学で教育学を学び小学校教員に。
自身の経験と培ってきた知識や能力を地域の子どもたちに役立てたいと、2020年に『坂田塾』を開塾。
今回は、『坂田塾』の坂田 剛先生にお話を聞きました!
「自身の経験を子どもたちのために役立てたい」小学校教員から個人塾への転身
私は以前、地域の小学校で教員として働いていました。当時、小学校で働きながら、色々と考えさせられることがありました。
事情があり仕方がない部分もあると思うのですが、学校が本来の目的である教育や躾をする場ではなくなり、保育所の延長のような場所になっていると感じていました。
もちろん、子どもを保育することも学校の大事な役割の一つです。
しかし、学校で「教育」ができないならば、私が大学の教育学部で学んできたことは何だったのだろうか?私が学校で働くことは、子どもたちのためになっているのだろうか?と悩む日々でした。
せっかく働くのであれば、私が今まで努力して培ってきた経験や能力を、子どもたちのために役立てたい。
そう思い、学校ではなく「塾」という形で子どもたちに関わることを決めました。
塾を始めるにあたって、以前お世話になったことのある経営者の方に弟子入りをして、経験を積ませていただきました。
そして、以前勤めていた小学校の近くで2020年に塾を開業しました。
以前小学校で教えていた生徒のご家庭からもクチコミをいただいて、現在は20名程の少人数制の塾を運営しています。
先生は私一人で、指導形態は完全1対1の授業と、授業以外はいつでも自習に来ていい「自立学習」の形式です。
自習のスペースはほぼ毎日満席で、生徒たちは一生懸命頑張ってくれています。
陸上自衛隊で目の当たりにした「為せば成る」の教育
私は大学に行く前に、高卒で陸上自衛隊に入隊しました。
理由は、家庭の事情で大学進学ができず、自分で受験費用や学費を貯める必要があったからです。
高卒で働きに出て、早くに十分な学費を貯められる所と言えば、陸上自衛隊。そうやって決めた進路でした。
よく警察と対比して語られるのですが、自衛隊は「育てる」組織です。
警察学校はふるいの場で、ついてこれない人は途中でどんどん辞めていきます。それに対して自衛隊は成長の場となっており、厳しさのわりには辞める人は少ないです。
皆さんもイメージできると思いますが、自衛隊の生活はとてもハードです。
隊員はどんどん辞めていってもおかしくないのに、それでも警察よりも退職者が少ないのは、「入隊した人は組織の中で育てる」という方針で運用しているからなんです。
私は自衛隊で「為せば成る」の教育を目の当たりにしました。
自衛隊の隊員には、一律に到達しなければいけない能力・目標があり、そのためのトレーニングメニューも決まっています。
もちろん、隊員一人ひとりに能力の違いはあるのですが、それによって差を設けるのではなく、全員に対して同じように「やればできるから頑張れ」という姿勢なのです。
脱落しそうな人にはどうするかと言うと、教官が必ず助けるのです。できるまでつきっきりで指導して、面倒を見るんです。
「為せば成る」とは本人に頑張らせるだけでなく、「成る」ために惜しみなくサポートをするのです。だから、最初はできなかったことができるようになっていきます。
これは教育において本当に大事な姿勢だと思いました。
子どもたちの教育にも言えることです。
例えば、整理整頓ができない子とか、授業中に座っていられない子がいますよね。
そういう子がいた時に、「できない子」だとレッテルを貼るのは簡単です。
だけど、子どもって最初はできないことばかりですから、「為せば成る」の姿勢で諦めずに指導する人も必要ではないでしょうか。
人生を楽しんで生きるために
勉強する理由を聞くと、「大学行くため」とか「いい会社に就職するため」という答えがよくあると思います。それも大事だと思います。
でも、塾生たちには、進路や就職のことだけでなく「人生を楽しくするために、知識を貯めている」という考え方を伝えていきたいです。
人生100年時代と言われます。丸々一世紀分を楽しく生きようと思うと、絶対に知識が必要です。
小さな例ですが、私は先日丹波篠山に行きました。黒枝豆が名産です。黒枝豆は10月の頭から10月末まで1か月間しか買えないことを知っていますか?
それを知っていたら、丹波篠山の黒枝豆を見つけた時、とても価値を感じます。でも知らなければただの枝豆です。
そういう風に、知識があればあるほど、見える景色が変わって、人生はより色鮮やかになるものです。
そのために、今勉強をしているんです。
卒業生の子たちも定期的に顔を見せに来てくれますが、来てくれるたびに「人生楽しんでほしい」ということを伝えています。
地域の子どもたちが一人でも多く、楽しい人生を送れるよう、これからも頑張っていきたいです。
なんのため、誰のための塾なのか
塾には、基本的に勉強で困っている子が来ます。生徒本人が勉強を諦めて、自分で人生を選択するのは大いに結構ですが、先生が「できない」と決めつけるのは絶対によくありません。「坂田塾の指導は厳しい」と保護者からお声をいただくことや、塾の説明で「厳しそう」とお断りされることも正直あります。それでも、本人が勉強をできるようになりたいと思う限りは「為せば成る」の姿勢でサポートしたい。そんな塾でありたいと思っています。
「為せば成る」の考えを大切に、地域の子どもたちを支えるお仕事、これからも頑張ってください!
坂田先生、ありがとうございました!
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